食糧が豊かで、外国からの移民が集まるここベイエリアには、世界各国の食料店やレストランが集まっています。もちろん日本食料店やレストランも充実していて、日本食が欠かせない方には住みやすいエリアです。
これから学校情報や地域の情報と合わせて、アメリカでお馴染みのスイーツや、ベイエリア・シリコンバレーで話題の食情報なども少しずつご紹介していきます。どうぞよろしくお願いします!
セント・パトリックス・デーに食べよう!定番料理
3月17日のセント・パトリックス・デーは、アイルランドの祝日です。キリスト教をアイルランドに広めた聖パトリックの命日であり、アイルランド移民の多いアメリカでは盛大に祝われる日です。詳しくは前回のブログ「夏時間とセント・パトリックス・デー」をご覧ください。ベイエリア食通信の第1回は、セント・パトリックス・デーにちなんだ食べ物をご紹介します。
コーンビーフ/Corned Beef
日本料理=スシ・カリフォルニアロールのように、アメリカで定番となったアイリッシュ料理、コーンビーフ!
コーンビーフというと、日本では缶詰のコンビーフを想像してしまいますが、”Corned”=塩漬けの、という意味で、牛肉の塩漬けの固まりを指します。アメリカではセント・パトリックス・デーというと「コーンビーフ・ウィズ・キャベツ(Corned beef with cabbage)」が定番の料理となっています。長時間煮ても写真のように鮮やかな色をした、牛肉と野菜の風味がたっぷり詰まった料理です。
本場アイルランドでは、キリスト教にちなんだ祝日ですので、人々は教会に行き、家族や親戚、親しい友人で集まり食事をします。実はこの日にコーンビーフを食べる習慣はアイルランドにはありません。伝統的な食事はラム肉の料理やシェパーズパイ/Shepherd’s Pieなどだそうです。シェパーズパイは、パイと言ってもパイ生地で作るのではなく、牛ひき肉の上にマッシュドポテトとチーズを乗せて焼いた料理です。
なぜアメリカで、セント・パトリックス・デー=コーンビーフとなったのかは定かではありませんが、この時期はCostcoをはじめ、ベイエリア各地のスーパーマーケットでコーナーができています。
コーンビーフを作ってみよう
とても簡単です。大きめのお鍋にお肉とスパイス(コーンビーフの真空パックに入っています。)を入れます。お子様がいるご家庭は、スパイス類をお茶用の袋などに入れると、後でそれだけ取りやすいのでおすすめです。かぶるくらいのお水を入れ、沸騰したら火を弱めて、人参、玉ねぎ、キャベツ、じゃがいもなどお野菜を入れじっくりと煮るだけです。お肉から塩味が出ますので、味は最後に調整します。
350°Fから400°F(160〜200℃)のオーブンにしばらく入れておけば、お野菜も崩れずに簡単に仕上がります。マスタードやサワークリームを添えていただきます。トマトの水煮缶も入れると美味しいです。
アメリカン料理のレストランでも、この時期にスペシャルメニューとしてコーンビーフの料理を出している店があります。
アイリッシュコーヒー/Irish Coffee
アイリッシュコーヒーは、 アイルランドのウィスキーにコーヒーと砂糖を加え、クリームを乗せた温かいカクテルです。この時期にパブなどでよく飲まれますが、サンフランシスコにその老舗があるのをご存知ですか?入ったことがなくても、その存在をご存じの方は少なくないのでは。ザ・ブエナ・ビスタ・カフェ/The Buena Vista Cafeは、アイリッシュ・コーヒーをアメリカに広めたお店と言われています。周りの景色は変わっても、カクテルのレシピは今も変わらないそうです。フィッシャーマンズワーフに訪れた際に、立ち寄られてはいかがでしょうか?(写真はお店のアイリッシュコーヒーではありません)
The Buena Vista Cafe
2765 Hyde St. (@Beach) San Francisco, CA 94109
アイリッシュ・ソーダ・ブレッド/Irish Soda Bread
日本でごはんを食べるように、アイルランドでは日常の食卓に並ぶ伝統的なパン、アイリッシュ・ソーダ・ブレッド。アメリカでは普段店頭で見られることは少ないのですが、この時期にはいくつかのスーパー、ベーカリーで販売されます。イーストではなく、ベーキングパウダーと小麦粉の力で膨らませたパンで、レーズンなどドライフルーツが入っています。簡単に作れるミックスの粉もあります。
これらの料理、ぜひこの機会に味わってみてはいかがでしょうか?