年の始めから、ベイエリアの学校ではトランジショナル・キンダーガーテン(以下TK)の入学申込みを受け付けています。TKは、一部の4才の子どものために始まった教育プログラムで、2012年からエレメンタリースクールに設けられています。なぜこのようなプログラムができたのでしょうか?入学の条件は?
カリフォルニア州の学校では、新年度は8月終わりから9月にスタートします。キンダーガーテンは義務教育ではありませんが、1年生の準備期間として良いプログラムであること、また人気のあるエレメンタリースクールでは、1年生からの入学はすでに定員となっている可能性が高いことから、対象となる子どものほとんどはキンダーガーテンに入学します。
2012年より以前は、キンダーガーテンに入学できるのは、前年の12月3日からその年の12月2日までに5才になる子どもでした。この期間最後の日(この場合12月2日)をカットオフ・デー(就学年齢基準日)といいます。
図にすると以下のようになります。その年に入学できるのは表の青色部分、前年の12月3日からその年の12月2日までが誕生日の子どもでした。9月に学校が始まってしまうので、9月から12月2日までが誕生月の子は、まだ4才ということになります。
他州では9月にカットオフ・デーがあり、入学時点でほぼすべての子どもが5才となっています。4才でキンダーガーテンに入学することは発達・学習能力の面で子どもに負担が大きいといった議論が、以前から州内で上がっていました。そこでカリフォルニア州教育省は、公立学校のカットオフ・デーを9月1日に移行することを決定しました。これでキンダーガーテンに入学した時点で、ほぼすべての子どもが5歳の誕生日を迎えていることになります。
ところがそうすると、それまでキンダーガーテンに入れるはずだった、9月から12月2日までの誕生日の子どもは、プリスクール(アメリカの幼児教育施設)を6月に卒業した後の受け入れ先がなくなってしまいます。
これらの子どもを受け入れるプログラムとして設けられたのが、このTKでした。混乱を避けるため、カットオフ・デーは2012年から2014年にかけて段階的に移行されました。具体的には、2012年は11月1日に、2013年には10月1日に、2014年は9月1日としました。
移行期間は2014年に終了しましたが、その後も、幼児教育とは異なる教育の必要があること、低所得家庭の子どもの教育の受け皿にもなることなど、様々な理由からTKは存続しています。対象は、9月2日から12月2日までに5才の誕生日を迎える子どもです。プログラムは午前中のみとする学校がほとんどです。。
TKに通った後、子どもが上の学年のキンダーガーテンに進級するか、キンダーを飛び級して1年生に進級するかの判断は学区に任されています。また、TKプログラムがない学校もあるので、詳細は各学区へのお問い合わせが必要です。