サンフランシスコやサンノゼ周辺のシリコンバレーには多くのテック企業が集まっています。UberやAirbnb、DropboxやSlackなど今となっては皆様にとって身近なサービスも、シリコンバレーで起業した後に世界へと広がっています。続々と新技術やサービスが集まり、多くの起業家が新たに挑戦する場所としてぴったりなシリコンバレーですが、それとは対照的に近郊のサンフランシスコは皆様もご存じの伝統的な超有名ブランドの発祥地として有名であることをご存じでしょうか?本日はそんなサンフランシスコ発祥の3大ブランドをご紹介していきます。
INDEX
リーバイス Levi Strauss & Co.
サンフランシスコはジーンズの原点。ジーンズ業界のリーディングカンパニーであるリーバイスは、実はサンフランシスコ発祥なのです。ドイツから移民しニューヨークで兄弟が営んでいた織物業を手伝っていた創業者のリーヴァイ・ストラウスは、ゴールドラッシュの最盛期に金の採鉱者達が衣服や縫製の重要性を感じていると期待し、1853年にサンフランシスコに移住しました。そこでテントや荷馬車の幌を作るために、キャンバス帆布を準備して採鉱者達に販売しました。その後、丈夫なワークパンツ、デニム素材を商品化し、取引先の仕立て屋が考案した金具”リベット”用いた画期的なジーンズが誕生したのが1873年、今でもほぼ変わらぬスタイルのジーンズは150周年を迎えます。
サンフランシスコにある最も古いリーバイスの店舗は、現在リーバイス・プラザと呼ばれ1853年の創業時から変わらぬ場所にあります。場所は、サンフランシスコのノース・ビーチ地区にあるバッテリー・ストリート815番地。現在、この店舗はリーバイスファンやサンフランシスコを訪れる観光客に人気のスポットとなっており、ジーンズ、ジャケット、アクセサリーなど、リーバイスの幅広い品揃えが特徴です。明るい雰囲気のプラザでまったり過ごすだけでも落ち着く場所です。是非機会がありましたら、訪ねてみてはいかがでしょうか。
参考:リーバイスの歴史
リーバイス・プラザ
ギャップ GAP
日本人であればGAPのロゴが入った服を少なからず1度は目にしたことがあるのではないでしょうか?子供から大人までどの世代でも着ることができるアパレルブランドであるGAPは、サンフランシスコで1969年に創業されました。創業者ドン・フィッシャーはサンフランシスコで育ち、バークレー大学を卒業後に自分で事業をするために模索を重ねました。そして彼はサクラメントの古いホテルを購入し、そこを改築することから彼のビジネスを開始しました。
その改築したホテルの店舗は、リーバイスジーンズのセールスマンに貸し出しました。ある日、彼が自分のジーンズをそこで選ぼうとしたところ、ウエスト、長さ、サイズの合うものが見つからないというトラブルに見舞われました。さらにサンフランシスコのデパートへ行っても自分に合うパンツを探すのは困難なことに気付き、その欲求を満たすために自らオーシャン・アベニューにリーバイスを販売する店舗をオープンさせました。そこではジーンズだけではなく、レコードやテープ等も合わせて販売しました。このようなユニークな販売形態は当時は他に競争相手もいないユニークなものだったので、この店舗は順調なビジネスのスタートを切りました。
その後この店舗では、ジーンズを中心に、オリジナルのアパレルをギャップラベルとして販売します。さらに1970年には2号店をサンノゼにオープンしました。その後、Banana RepublicとOld Navyを買収し事業拡大を行い、初期の段階から各ブランドに価格差を付けて商品化したことが市場で受け入れられ、それぞれのビジネスは順調に成長し現在に至ります。社名のギャップ(GAP)は「ジェネレーションギャップ(Generation GAP)」のという言葉からヒントを得たと言われています。現在、GAPは本社をサンフランシスコ・オークランド・ベイブリッジのそばに構えています。
参考:GAPの歴史
ウィリアムズ・ソノマ Williams Sonoma
アメリカで一番有名な食器、キッチン用品販売店は?と尋ねれば、ここでは誰もがウイリアムズ・ソノマ(Williams Sonoma)と答えるのではないでしょうか。そのウィリアムズ・ソノマは、1956年にカリフォルニア州のソノマというワインで有名な町でチャック・ウィリアムズより創業されました。ウィリアムズは父との離別や妹の事故死など悲しい出来事と直面しながらも厳しい大恐慌と第二次世界大戦を生き抜いた経験を持ちます。そんな彼は半生の中で、祖父母のレストラン、農業、デパート、航空会社など多様な環境での仕事とそれに付随して海外生活も経験しました。その後ソノマを安息と地とし、旅行で訪れたパリの本格的キッチン用品に魅了されたウィリアムズは1956年にソノマにてキッチン用品店を開くこととなったのです。
その後に彼はお店をサンフランシスコに移し、その地で66年近くも丁寧なビジネスを続けています。そのことが支持され、ウィリアムズ・ソノマは開店当初から客足を絶やすことなく今なお繁盛し続けています。現在、私たちの手元には様々なカタログが届けられてますが、その中でもウイリアムズ・ソノマのカタログは商品がわかりやすく紹介されていることで好評を博しています。まだカタログ販売が定着していない時代から提供されている彼らのこうしたサービスからも、創業以来変わらない丁寧なおもてなしの心を感じます。
また、ウイリアムズ・ソノマが保有している食器とインテリアの別ブランドでPottery Barnがあるのですが、創業者Paul Seconの死によってGAPグループを経たのちに1986年にウイリアムズ・ソノマが引継ぐ事になりました。そのPottery Barnのカタログにもウイリアムズ・ソノマのノウハウが受け継げられています。カタログを通じて伝えられるチャック・ウィリアムズの揺るがない商品への思いとこだわりや先見性は、豊かでセンスある生活環境を私たち消費者に今なお提供し続けています。
■ 最後に
今回は、テック企業の範疇に当てはまらない、伝統的なサンフランシスコ発祥の3大ブランドをご紹介しました。いかがだったでしょうか?皆様がサンフランシスコと聞くと、シリコンバレーやGoogle、Metaなど様々なテック企業発祥の地、と思い浮べることが多いと思いますが、今回の記事でもご紹介したように、実はこういったテック企業以外の有名ブランド発祥の地でもあります。こうした企業を中心にサンフランシスコ周辺で有名ブランドの1号店をめぐる旅などしてみると、違った側面の魅力に気づくかもしれません。
今回記事はここまでとさせていただきますが、これからも物件情報にとどまらず、サンフランシスコ、シリコンバレー、サンノゼ、ベイエリアなどに関して、駐在に来る方に興味を持っていただけるような情報を発信してきますので是非ご期待ください!