日本のニュースで、子供の通学時の荷物が重すぎるため、文科省が「置き勉」を解禁したと知りました。そこで今回は、現地の子供たちが通学時に持つ物について、周囲から情報を集めてみました。
エレメンタリースクールの持ち物は
現地にはランドセルがないので、子供たちはバックパックに必要なものを入れて通学します。持ち物はランチ、宿題、保護者への手紙です。かなり少ないですね。
えんぴつなどの文房具は・・・クラスで配られます。消しゴム、のり、色鉛筆なども教師がクラスで管理しています。
教科書、ノート・・・学校に置いてあります。宿題はどうするのかというと、プリントに記入したり、エッセイをルーズリーフに書いて提出といった内容のものが多いです。家で教科書やノートも開く必要がありません。
ただテスト前には、教科書を家に持ち帰ることが許可されます。余談ですが、社会や理科の教科書は、厚さ3センチほど大型のハードカバーのものが多く使われているようです。大学の教科書のようで、一冊持ち歩くのも小さな子には大変そうです。
体育着・・・ありません。その日に着ている服で運動します。
水着・・・水泳の授業がないのでありません。
防災頭巾・・・ありません。上履きも、土足なのでありません。
給食袋・・・給食のシステムがなくカフェテリア方式なので、ありません。
家庭科のエプロンと三角頭巾、裁縫道具・・・家庭科はカリキュラムの中にありません。
書道用具・・・習字(こちらだとカリグラフィーでしょうか)の授業がありません。
日本にはあまりみられない、現地の持ち物は・・・現地では高学年の音楽の授業で、管楽器や弦楽器を教える学区が多いのですが、この楽器は家庭で買うか、楽器店からレンタルし、自分で持って行きます。
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書いていて気がつきましたが、現地のクラスの教材を置くスペースは、比較的広く確保されているのでこうしたことができるのかもしれません。
またエレメンタリースクールは、保護者が車で送り迎えすることがほとんどなので、重い荷物を持って歩くことがそもそもないのです。
ミドルスクールは
エレメンタリースクールで大事に大事に扱われた子供たちですが、ミドルスクールから自立に向けての厳しい訓練が始まります(大げさです)。
教科書、ノート、筆記用具、文房具、ランチ・・すべて自分で管理します。それぞれの教科に必要な学用品のリストが配られますので、揃えて毎日持って行きます。きちんと準備していないと、減点になることも。このノートやバインダーがかなり重いのです。教科書は学校や家に置くこともありますが、生徒に持たせる学校もあります。
持ち物はロッカーに・・ひとりひとりにロッカーが与えられ、荷物を入れられますが、授業の合間の移動時間が数分しかないので、ロッカーが遠い場合は入れずに自分で持ち歩く生徒もいます。
体育着は・・専用ロッカーに置いて週末に持ち帰る生徒が多いようです。
楽器は・・音楽のクラスを選択している生徒は、楽器を音楽室の保管庫に入れますが、練習が必要な時は家に持って帰ります。
やはり車で送迎してもらう子供が大半なのですが、毎日重そうなバックパックを背負って自転車や徒歩で登校する姿は大変そうで、保護者会でも荷物の多さが話題になることもあるようです。教科書もノートもデジタルになれば軽くなりそうです。
ハイスクールも同じようなシステムです。
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アメリカと日本のどちらが良いというのではなくて、環境の違いが大きいのだと思います。様々な議論があるようですが、個人的には、日本では小学生たちが自分で通学できることや、荷物は多くなってしまいますが学校で家庭科や水泳など幅広い教育が受けられることは素晴らしいと思います。子どもの負担が減る方法があれば良いのですが。
現地ですと、エレメンタリーでの荷物のストレスはないですが、教科書を持ち帰らないので授業内容や子供の学習レベルが今ひとつ親にわかりづらい、など感じることは色々あります。たまに子どもが持って帰ると、興味津々で読んでいます。
ミドルスクール以上は、似た問題を抱えているようです。