アメリカでは野球、バスケットボール、アメリカンフットボール、アイスホッケーが4大スポーツとして人気を誇っています。子どものスポーツ活動も盛んですが、日本との大きな違いはシーズン制であることです。今日は、現地のスポーツ事情をお知らせします。
シーズン制とは
シーズン制とは、春、夏、秋、冬と季節によって競技期間が区切られているシステムを指します。例えば学校の部活動は、サッカーが9月から12月まで、バスケットボールは1月から3月まで、3月から6月は野球というように、それぞれのシーズンに自分の好きなスポーツを選ぶことができます。
そして年齢を重ねていくにつれて競技を絞り、その中で優れた選手がカレッジスポーツやプロの世界で活躍するのがトップアスリートのモデルケースと言えるでしょう。
スポーツの始め方
まずは誰でも参加できて費用も経済的な、市のレクリエーションセンターのクラスや習い事などに参加します。アメリカはスポーツ施設が非常に整っており、上記のスポーツの他にも、テニス、水泳、体操など様々なスポーツを小さい年齢のうちから気軽に始めることができます。
さらに技術の向上と、より多い活躍を望む場合は、クラブチームにトライアウト(技術試験)を受けて入団し、カウンティー(郡)、そして州、全米と、リーグの規模が大きくなっていきます。誰でも参加できるプログラムは2歳から、クラブチームですと多くは5歳ごろから参加できます。最寄りのクラブチームについては、学校のオフィスやクラスメートから情報が入ります。
学校のスポーツ事情
先に書いたように、学校のクラブはシーズン制で、生徒は一つのクラブに年間を通して所属することはありません。
学区にもよりますが、小学校では週に1回か2回程度の課外活動がシーズンごとにあります。その多くは教師ではなく、スポーツクラブのコーチやボランティアが指導します。種目が増えるのは中学・高校からとなりますが、希望者の多い競技は誰もが参加できるわけではなく、トライアウトに合格する必要があります。これはスポーツに限らず文科系のクラブも同じです。
そうした状況ですので、ここ最近日本で話題になっているブラック部活はありません。教師の負担が少なく合理的なシステムと言えます。
クラブチーム事情
クラブチームの活動は、種目にもよりますが、平日2日〜5日の練習と、週末に他チームとの試合があります。サッカーや野球といった野外のスポーツですと、夏休みと冬にシーズンオフとなることが多いです。
日本では子どもが自分で練習場に通うことが少なくないようですが、現地では親が車で送り迎えをします。費用は、種目や環境によって異なりますが、日本より高額で、ボランティアや寄付も求められます。つまり家族の真剣な協力が欠かせません。
オフ中は、子どもはプライベートレッスンを受けたり、オフシーズンにも活動しているチームに入ったり、他のスポーツに取り組んだりします。長い夏休みには毎日集中的に練習するキャンプも提供されています。
チームワークと指導
日本のチームスポーツでは、部員は常にその一員であることが求められ、学校のクラブ活動でも、たとえ補欠であっても部にとどまり、卒業するまでやり通すことが大切であったり、監督との師弟関係が重視されたりしますが、アメリカのサッカーや野球などは、シーズンが終わればチームは一旦解散し、コーチが変わることもよくあります。子供に合うチームを求めて入部・退部を重ねる親も少なくありません。
部員同士の上下関係もなく、レギュラー部員の身の回りの世話を下級生や補欠部員がするなどという事もありません。年齢に関係なく、上達する者が優遇され活躍の場を与えられているという面ではシビアですが、そうでない子は、自分には他の活動が合っていると肯定的にとらえて辞めることができる環境のようです。
指導方法も褒めて育てることが基本で、コーチが怒鳴ることはあまりありません。この合理性、積極性が、アメリカのスポーツの強さの一因となっているのかもしれません。
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現地では、誰でも気軽にスポーツが始められる環境が整っています。滞在中に打ち込めるスポーツに出会えたら、またひとつ大きなアメリカ文化に触れることができるかもしれません。お子さんと一緒に、チャレンジしてはいかがでしょうか?