箱根ガーデンは、郊外の高級住宅地として知られるサラトガ市に100年前に造られた日本庭園です。サンノゼから車で20分ほど走った、サンタクルーズ山脈のふもとにあります。今回はこの箱根ガーデンをご紹介します。
見どころ
木造の門をくぐり、玉砂利を踏みしめながら小道を抜けると、木立の中に広がる美しい庭園が目に入ります。よく手入れされた庭木や花が、池の周りでところどころ色づいて秋を演出していました。サンフランシスコなどにも日本庭園がありますが、現地でこれほど本格的な日本庭園と伝統建築を見たのは初めてでした。
箱根ガーデンは、アメリカで最も歴史ある日本庭園の一つとされています。2004年に全米歴史保全基金(Nationaru Trust for Histric Preservation)に認められ、2013年には、アメリカの国家歴史登録財として保全の対象となっています。
また、2005年の映画Sayuriのロケ地にもなり、ここでは6つのシーンが撮影されたそうです。
高台から庭を見下ろす木造家屋は上の家(または月見の家)と呼ばれ、建築から100年経とうとする今でも、訪れる人に縁側からの眺めを楽しませてくれます。
門の脇には、19世紀の京都の町家を移築して建てられた文化交流センターがあります。桂離宮の昭和大修理など、数多くの伝統建築の修復で知られる建築士の安井清氏が整備されたそうです。建物裏の見晴台からは、シリコンバレーの風景が一望できます。
箱根ガーデンの歴史
箱根ガーデンの歴史は1915年、慈善家のスタイン夫妻が、15エーカーの別荘地に日本庭園と家屋の建築を計画したことから始まりました。夫妻は日本旅行でもっとも気に入った箱根をイメージして資材を集め、日本から建築家を呼び寄せてこの庭園を造りました。
夫妻が亡くなった後は家族に受け継がれ、持ち主が何度か変わったのち1966年にはサラトガ市の所有となりました。現在では敷地が拡張され、非営利組織のHakone Garden Foundationが、姉妹市である京都府向日市の協力を経てその保全に取り組んでいます。
世界各地で日本庭園は造られていますが、管理が難しいため放置されているところも少なくないそうです。ここ箱根ガーデンには、ステイン夫妻の庭園への強い思いが多くの人の支援によって今も生きています。
イベント、詳細
近隣コミュニティの交流の場として、5月の箱根ガーデン祭りや大茶会などのイベントをはじめ、結婚式やベビーシャワー、企業のパーティ会場としても提供されています。来年の春には、敷地に並ぶ45本の桜の木をライトアップする計画があるそうです。
他にも枯山水の庭、藤棚や竹林など見どころがありますので、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。サラトガのダウンタウンが近いので、ランチ前後のお散歩に良いかもしれませんね。
Hakone Estate and Gardens
21000 Big Basin Way, Saratoga, CA 95070
408-741-4994
http://www.hakone.com
11月から2月までの開園時間
平日 10:00 am – 4:00 pm
週末 11:00 am – 4:00 pm
3月から10月までは5:00 pm閉館
入場料:大人10ドル、5才〜17才8ドル、4才以下無料、シニア8ドル