退去時にデポジットから請求されやすい箇所トップ３

アメリカの賃貸物件を借主が退去する際に、家主は家の点検＝インスペクションを行って、修理、清掃の必要があるかチェックをすると前回書きました。これまで何件となく仲介をさせていただきましたなかで、セキュリティ・デポジットから追加請求される場合が多いと思われる箇所と、日頃の対策やおすすめの洗剤などをご紹介します。

カーペットのしみ
キッチン　調理用ガス・クッキングヒーターの油のこびりつき
バスルームの目地、シンク、キャビネットのカビ
その他　壁の汚れ、ガレージ・庭
まとめ

カーペットの染み

アメリカのいえはカーペットの部屋が多いですが、一番汚れがつきやすいのが、過ごす時間の長いリビング・ダイニングのカーペットです。食べ物などの染みが落ちない場合は一部張り替え、または全張り替えとなり、高額な修理費がかかります。

日頃からの対策

染みがついてしまったら、すぐにカーペットクリーナーで落とします。お子さまのいるご家庭でも使える、害の少ない種類のものもありますが、ご使用前にはカーペットの色落ちがないか確認してからお使いください。ダイニングテーブル周辺は食べこぼしがよくありますので、お子さまの椅子の下にオフィスチェア用のマットなどを敷いておくと、掃除が簡単です。

ちなみにウェブ担当の家で使っているのはこちらです。
Folex Carpet Spot Remover

32オンス（約１リットル）で値段は１０ドル前後です。有害成分が含まれていないそうで、トマトソース、ワイン、血、コーヒーなどの染みはすぐに取れます。Home Depotやアマゾンなどで販売されています。他にも良い製品はあると思いますが、匂いが少ないのが気に入っています。

キッチン　調理用ガス・クッキングヒーターの油のこびりつき

家で揚げ物などの調理を頻繁にされるご家庭では、退去時にコンロ、レンジフードなどの掃除代を追加請求されることが少なくありません。（日本のガステーブル・クッキングヒーターは、現地ではgas range, electric top rengeなどと呼ばれます。）

日頃からの対策

定期的な水拭き、またはAll Purposeと書かれた洗剤でふき取ります。”Degreaser”とラベルに書いてあるものですと、油汚れが落ちる成分が入っていますが、強い洗剤を使うと表面が変色することもあるのでご注意ください。

水に食器洗剤を数滴薄めたもので拭き取ったり、ベーキングソーダや酢、メラミンスポンジを使った掃除も効果的です。キャビネットに液体洗剤を使った後は乾いた布で水気を拭き取っておきます。

その他キッチンでチェックされることが多いポイント

ディッシュウォッシャー、オーブン、電子レンジ、レンジフードの汚れと、故障の有無。
蛇口から湯と水は問題なく出るか、水もれはないか

バスルームの目地、シンク、キャビネットのカビ

バスルームを使用後に十分換気していなかったり、水が飛び散ったまま拭き取られていなかったりすると黒カビが発生します。清掃するだけではカビが取れない場合、目地の張替えとなるので、高額の修理費が発生します。

水はねがキャビネットの扉にかかり、そのままにしておくとカビによって黒くなることがあります。この場合はヤスリをかけてペンキを塗り直したり、扉の木材が膨張して変形した場合は扉の取り替えとなるのでかなりの費用がかかります。

日頃からの対策

バスルームを使った後は、最低15分は換気扇をつけたり、窓を開けて湿気を逃しておきましょう。目地のカビにはMold Stain and Mildew Stain Removerといったカビ取り剤も使えますので、使い方をよく読んでお使いください。キャビネットに水がかかったらすぐに拭き取っておきます。

その他バスルームのチェックポイント例

十分に熱いお湯が出るか
トイレに水もれや詰まりなどないか

その他　壁の汚れ、ガレージ・庭

壁の汚れ

お子様の壁の落書きなどは、タッチアップペイントなど一部の塗装のみならそれほど高額ではありませんが、ペンキを全面に塗り替える場合は高額な費用がかかります。小さな傷はメラミンスポンジで軽くこすると効果的です。

ガレージ・庭

これはまれなのですが、ガレージ内の清掃、ゴミ捨て、バックヤードの清掃の費用を請求する家主さんもいらっしゃいます。

まとめ

よく使う水回りやキッチン・ダイニング周辺は汚れがつきやすく、退去時にクリーニング代を請求されることも多いです。家を引き払うときはやっておかなければならないことが多いので、掃除までなかなか手がまわらないかもしれませんが、デポジットを支払った以上に請求されないためにも、普段から少しずつでも手入れをされるとよいでしょう。掃除方法などもぜひご相談ください。