セキュリティ・デポジットとは?
春は異動の季節ですので、ここのところ退去のお客さまが続き忙しい日々でした。セキュリティ・デポジット(以下デポジット)についてご質問がありましたので、これからデポジットの基本情報と、返金のために借り手ができること、よくあるご質問などを3回に分けてお知らせします。
デポジットは、賃貸物件に入居する際に借り手が支払う保証金です。日本の賃貸物件の敷金にあたり、サンフランシスコ・シリコンバレーで家具なしの物件ですと、家賃の1ヶ月から2ヶ月分の費用となります。
日本からの駐在者の中には、入居時にデポジットを会社に支払ってもらい、退去後は返金しなければならないなどの理由から、できるだけ取り戻したいとする方もいらっしゃいますし、自費であれば、物入りの引越しにまとまった額が返金されればはありがたいですね。日本の敷金はほとんど戻ってこないという話を聞きますが、こちらは返金されるケースも多いように思います。
デポジットの使い道は?
デポジット利用の範囲外 Normal wear and tearとは?
デポジットの対象・借り主の負担となるケースは?
まとめ
デポジットの使い道は?
デポジットの使途目的は州の法律で定められており、未払いの家賃があったり家が原状回復されていなければ、家主がデポジットを使ってその出費を補うことができます。
原状回復とは、入居前と同じ程度に、家を清掃し設備が機能している状態に戻すことです。
借り手には、賃貸物件を退去する際に原状回復する義務があります。壁、床、電化製品、バスルーム、造りつけの家具などに破損がなく清潔で、次の借り手が入居できる状態にして家を引き渡せば、デポジットは使われず、返金となります。
デポジット使用の範囲外、Normal wear and tearとは?
ただし、主に次の二つについて家主はデポジットを使った修理・取り替えができません。
- 入居前からあった不具合や傷、汚れ
- 通常の使用による損耗分(Normal wear and tear)
家は時が経てば劣化していきます。日頃の手入れをしていても経年劣化によってできる傷みや汚れは、通常の使用による損耗分(Normal wear and tear)とされ、デポジット使用の範囲外とされます。例えば、日照や時間が経過したことなどによる、壁やフローリング、カーペットの色落ちや摩耗などです。
デポジット支払いの対象・借り主の負担となるケースは?
一方で、デポジット支払いの対象で、借り手の負担となるものは以下のような例が挙げられます。
- 未払いの家賃
- 入居時より家が汚れていた場合の清掃代
- 契約書に記載されている内容に沿った家具や設備の交換
- 借り手の過失による損壊など(例)
- カーペットについたワインや食べこぼしの染み
- ペットが原因の汚れ、臭い
- ペットについたノミなどの駆除費用
- オーブン・レンジフードなどの油汚れ
- 冷蔵庫の霜
- 電化製品の故障
- ドア、窓の故障
- 借り手が換気を怠ったことによって発生したバスルームのカビ
- 水漏れなどによる木製家具の変形
- 壁の大きな釘穴、へこみ
- 壁のクレヨンの落書き
また、入居中の注意点、家のメンテナンスについては契約書に記載されていますので、よく読んで理解しておくことが大切です。
まとめ
セキュリティ・デポジットは、賃貸物件の保証金であり、通常の使用による損耗分(Normal wear and tear)を除いて、家を入居前の状態にすれば返金されます。契約書の内容をよく理解し、日頃から家の手入れをしていれば、スムーズに退去することができます。
次回は、借り手がデポジット返金のためにできることの具体例をお知らせします。