冬はかぜやインフルエンザが流行する季節です。日本とアメリカでは医療システムや感染症に対する考え方が違いますので、現地で風邪をひいたら、病院に行かず市販の薬を飲んで治すのが一般的です。風邪やインフルエンザの対処法や予防法、咳やくしゃみに関するエチケットなどをご紹介します。
- 日本のようにすぐに診てくれる病院はあるの?
- インフルエンザの治療薬はもらえるの?
- 風邪をひいたら耳鼻科に行ってもいいの?
- マスクはしないの?
- 咳やくしゃみをするときのエチケットは?
- 学校で教わる風邪の予防法は?
- 学校を休むとき、行って良いときの目安は?
日本のようにすぐに診てくれる病院はあるの?
Urgent Careを利用する
アメリカでは、病気やけがをした際はかかりつけのホームドクターに診てもらいますが、予約が取れないときや、薬が必要で今日すぐに診てもらいたい!という人のために、Urgent Care(アージェントケア・応急外来)というタイプの診療所が利用できます。電話で予約しますが、Drop-in(予約なし)で診てくれることもあります。
夜間や早朝に対応してくれたり、小児科専門のUrgent Careもあります。ドラッグストアのCVSやWalgreenの中にも設けられており、感染症の治療やインフルエンザの予防接種などをしてくれます。
ただ、治療できる病気が限られたり、長時間待たされることもあります。医療費がカバーされるかどうかは、ご自身の健康保険会社のウェブサイトなどでご確認ください。また、命にかかわる状態、緊急処置が必要なときには総合病院のEmergency Room(ER)へ行きます。
インフルエンザの治療薬はもらえるの?
リレンザやタミフルといったインフルエンザの治療薬は、診療所によってはすぐに診察してくれ、感染した菌またはウィルスの種類を調べて処方してくれますが、日本ほど普及していません。
風邪をひいたら耳鼻科に行ってもいいの?
日本の耳鼻科の風邪治療はこちらの耳鼻科にはありませんし、専門的な治療を扱うので、風邪をひいて耳鼻科に行くことはありません。中耳炎になったら内服薬が処方されます。
マスクはしないの?
一度、ウェブ担当はうっかりマスクをして、薬局で薬の処方を待っていたことがあります。薬剤師の方が「大丈夫ですか?」と声をかけてくれたのですが、心配というより不気味だったようです。マスクをして街を歩くとよほどの重い感染症か、不審な人と思われます。
公共の場でマスクをする人はいませんが、診療所の待合室で、咳やくしゃみを頻繁にする人はマスクの着用を勧められることはあります。
咳やくしゃみをする時のエチケットは?
咳やくしゃみをする時には、できるだけ周囲から離れて、テッシュやハンカチで口と鼻をおおいます。使ったテッシュはすぐに捨て手を洗いましょう。
ティッシュがなければ、ひじの内側で鼻と口をふさぎます。学校では、手を使ってくしゃみや咳をさえぎると、病原菌が手に移り、ドアノブなどを介して他の人に感染すると教えられます。このひじを使った方法は、子どもにわかりやすく「Dracula Sneeze=ドラキュラくしゃみ」とも言われます。ドラキュラがマントで顔を隠す姿に似ているからです。
公共の場でくしゃみをすると、”Bless you!”と声をかけられることがよくあります。くしゃみは魂が弱まり、そのすきに悪魔が入り込むという迷信から、現在はお大事にという意味も込めて見ず知らずの人でもGod Bless you(神の恵みがあるように)といたわる習慣なのです。もしそのように声をかけられた際はThank youとお礼を言いましょう。
また、日本では人前で鼻をかむのは失礼とされますが、現地では人前で鼻をすする方が嫌われます。
学校で教わる風邪の予防法は?
学校ではしっかりと手洗いすることを教えられます。低学年では、石けんを使って20秒間、ハッピーバースデーの歌を二回歌う間に手を洗うと教わるそうです。
手洗いの他に、教室や公共の施設では、手の消毒用ジェルも使います。このジェルですが、アルコール分60%以上を含むものでないと消毒効果はないとされています。
学校を休むとき、行って良いときの目安は?
学校では、感染症で休む際の目安が案内されています。例えば、「熱があり、明らかに具合が悪そうな時、お腹を壊している時は、他の生徒への感染を防ぐために学校を休んでください。」などとあります。学校に行ける目安は、熱が下がった状態が24時間以上続いていることとされています。
風邪やインフルエンザについての情報は、米国疾病予防管理センター(CDC)のウェブサイトに詳しく掲載されています。(英語)