ベイエリアは、湿気が少なく涼しい気候のため害虫が少ないのですが、この雨の季節はアリの大量発生に悩まされることが少なくありません。冬に雨が多くなると、水量が上がって地面に行き場を失ったアリたちが、食べ物を求めて家に侵入してきます。雨季が終われば姿を消してしまいますが、キッチンの食材にびっしりとたかったり、バスルームで行列を作っているのを見るのは不快なものです。今回は冬のアリ対策についてご紹介します。
対策1 通り道を洗剤、アルコールでシャットアウト
- 行列を見つけたら、まずアリたちを駆除します。あまりに数が多い場合は掃除機で吸って家の外に捨てます。
- アリは体から出すにおいを通り道に残し、仲間がたどりつけるようにします。においが消えるように洗剤水を含んだスポンジで拭いたり、all purpose洗剤(様々な用途に使える洗剤)またはアルコールを使い、通り道を拭き取ります。
- 地面の軒下から通じて室内に侵入してくる場合が多いので、出どころを突き止めてテープなどでふさぎます。カーペットの下の床板の隙間などからも入ってきます。
- アリは食べ物を探して単体で動き回り、エサを見つけると仲間を呼んで戻ってくる習性がありますので、偵察隊のアリを一匹でも見つけたら放っておかずに駆除しておきましょう。
対策2 市販のアリ駆除剤、殺虫剤を利用する
ホームセンターやスーパーマーケットで販売されているアリ用の駆除剤を利用します。エサのにおいの付いたAnt baitsと書かれたタイプがおすすめです。少し時間はかかりますが、毒エサが女王蟻まで届き、巣ごと駆除できます。TerroやRaidなどいくつかのブランドが販売されています。アリたちの出入り口を突き止め、その近くに置いて集まるのを待ちます。たくさん集まったアリは、しばらくすると現れなくなります。
固形タイプ、液体タイプなど各種販売されていますが、液体タイプが最近では人気のようです。
スプレータイプの殺虫剤は即効性がありますが、仲間が消えたことでアリが危機感を持ち、よけいに巣作りに励むのでかえって数が増える場合もあるそうです。また、小さなお子さんがいらっしゃるご家庭では使うのが不安という方もいらっしゃいますし、無臭と表示されている商品でもかなり匂いが気になります。
対策3 ペットフード対策
ペットフードにたかるアリに悩まされるご家庭も多いようです。対策としては、ペットフードの器より一回り大きい器を用意し、水を張って中にペットフードを入れた器を置いておきます。アリがエサに届かず水に落ちる仕組みです。
対策4 化学薬品を使わない方法で駆除する
市販の駆除剤を使いたくないという場合は以下のものがよく使われているようですが、アリによって効果が違うようですので、いくつか試してみると良いでしょう。
- シナモンやクローブをアリが発生する場所にふりかけておく
- ミントオイルをふる
- ベビーパウダーをふる
- 駆除剤を手作りする ホウ酸(Boric acid)は、人間にはあまり害はないですが駆除には効果的です。でもお子さんやペットが間違って口に入れないか心配、という方にはこんな方法もあります。ホウ酸と砂糖を1対3の割合で混ぜたものに水を加え、コットンにしみこませてジャム瓶などの密閉容器に入れます。蓋にアリが通れるくらいの穴をいくつかあけておき、容器の周りにも甘いものなどを少しつけて、アリの通り道に置いておきます。アリが巣に持ち帰りいなくなるのを待ちます。
対策5 アリが寄りにくい環境にする
食べ物を置きっぱなしにせず、密封したり冷蔵庫に保存します。甘いものに寄ってきますが、鰹節など乾物も好みますのでしっかりと封をしましょう。
おまけ ベイエリアの家に発生する害虫
- 蚊 ほとんどいませんが、夏の暑い時期に出ることがあります。蚊が媒介するウェストナイル熱やジカ熱も話題になりました。水たまりに発生するので、庭のバケツや鉢植えなどは常に水はけを良くしておきます。
- クモ 小さなクモが家の中に巣を作ります。特に被害はありませんが、クモの巣をみかけたらこまめにはらっておきます。
- Silverfish 日本では紙魚(シミ)と呼ばれる虫で、銀色の体にたくさんの足を持ち、バスルームやキッチンなどジメジメしたところに発生します。本やダンボールの中に潜んでいることも多いようです。対策としてはこまめに掃除をする、必要ないダンボールは処分する、ホウ酸を使うなどが効果的のようです。
- ゴキブリ 家の中でみかけることはほとんどありませんが、飲食店付近には生息しているので、ゴキブリ用の殺虫剤などは販売されています。