アメリカのボランティアって?
日本でも東日本大震災以来、ボランティア、募金活動などはぐっと身近なこととなりましたが、日本ではボランティアというと、「慈善事業」というイメージで、特別な活動として捉えることも多いのではないでしょうか。アメリカのボランティアは学校、宗教、社会などの団体のほか、生活の中で日常的に存在しています。その根本には、政府に頼らず自分たちの力で社会を変えていこうとする風土があります。
ファンドレイズによる教育資金集め
学校の教育に関しては、良い学区はただ教育熱心というだけではありません。寄付が多い=生活にゆとりがある、親のボランティア活動が盛ん=活動できるゆとりがある、または活動できる知識と教養があるということで、親(PTA)の活動が子どもへの教育に直接的に大きく反映します。例えば、同じカウンティー(郡)で、政府からの教育援助資金が同じにもかかわらず、学校によっては資金不足で音楽の授業が受けられないこともある、という日本では考えられない学校間の違いが生じます。
資金集めには、イベントを開催してその参加費を募る、ファンドレイズと呼ばれる方法で行われるのが一般的です。例えば、映画上映会やパーティ、スポーツイベントなどをPTAが企画し、参加費として親から資金を集めます。他にも、地元の企業や病院に寄付を募ったり、スーパーやネットショップで買物をすると売上の一部が学校に寄付されるサービスを利用するなど、様々な方法があります。
ボランティア活動いろいろ
多くの学校では、学校全体に関するボランティアと、クラスのボランティアを募ります。内容は図書館の係であったり、年間行事の係、またはクラスのパーティに食べ物や必要な物を提供する係など様々です。
学校ボランティア
イベント時にお菓子を焼いて持っていく、パーティ、フェスティバルの準備や力仕事、学校の大きな清掃日の参加、ランチのヤード・ドゥーティ(お昼休みに子どもの安全を監視したり、ちょっとしたお手伝いをする)などがあります。
クラスボランティア
宿題の準備など1年を通してお手伝いすることや、クラスのパーティのための不定期なお手伝いなどがあります。できることはたくさんあるので、気になることやわからないことは担任の先生やクラスペアレント(1年間その人が中心となって各親に案内を配布したり、準備や細かい事柄を先生と決める係)に聞いてみましょう。コミュニケーションに不安がある場合はその旨を伝え、その上でできることはないかと聞いてみるのもよいでしょう。
クラスの備品
クラスの担任より、授業で必要な文房具などのリストが案内されます。ティッシュや鉛筆、ノートなど内容は様々。リストの中から協力できるものを選んでクラスに寄付します。
最後に
いかがでしたか?アメリカでの学校のボランティアは、子どもの教育に欠かせない活動です。また、子どもの学校生活の様子を見ることができたり、先生や親たちとコミュニケーションできる良い機会でもあります。言葉の心配もあるので勇気のいることですが、中にはコミュニケーションがそれほど必要なく、やりやすいものもあります。ボランティアに関しては「無理をせず、できることをする」という姿勢で、一度参加してみてはいかがでしょうか?