先日はカリフォルニア州とスクールディストリクト(学区)についてお話しましたが、今回は公立学校についてお話します。今日の目次です。
- 様々な公立学校
- 住所がなければ入学できない・入学手続き
- 校長先生の役割
- 教師によって授業内容が変わる
1,様々な公立学校
カリフォルニア州の公立学校には、様々な特徴があります。普通校の他にも、ある一つの分野を重視(数学、外国語、教育法など)したマグネットスクール、親と教育者が中心となって経営・運営するチャータースクール、特別な支援が必要な子どもたちのためのオルタナティブ・スクールなどがあります。
普通校も、イベントの種類や特に力を入れている教科などがあり、バラエティに富んでいます。例えばある学校は、新しいコンピューターやiPadを使ったIT教育に力を入れるなど、シリコンバレーの学校ならではの教育法を取り入れていたり、ある学校では、子どもたちが楽しんで学校に来られるよう、パジャマを着て登校する日や奇抜な髪型にして良い日など様々なイベントを設けたり、親と子が参加できるパーティをPTAが開いたりしています。そういった細かい内容はなかなか外へは伝わらないので、口コミや学校の説明会などで情報を得ます。
2,住所がなければ入学できない・入学手続き
入学に必要な書類は、パスポート、入学申込書、予防接種の書類などですが、入学準備で最初にしなければならないことは、住所を決めることです。家が決まっていなければ手続きができません。住所の証明には、家主との賃貸契約書や、公共料金の領収書のコピーなどを提出します。必要な書類は学区によって違います。
3,学校長の役わり
エレメンタリースクールの場合、校長は学校全体を管理しますが、保護者との問題解決や生徒のしつけも担当しています。いじめなどの問題があった場合には、校長が中心となって話し合いの場を持ったり、解決に向けて対応します。また、授業妨害をしたり教師の言うことを聞かない子どもは、校長室に行き、校長の指導を受けます。
以前、アメリカの学校には朝礼や始業式、終業式がないとお話しましたが、一方で子どもたちと校長が触れ合う機会はとても多く、身近な存在であるようです。校長は学年ごとのイベントや昼休み、授業の様子などを見て回り、子どもたちと積極的にふれあっています。中には全校何百人もの生徒の名前を覚えていて、声をかける校長もいます。
4,教師によって授業内容が変わる
エレメンタリースクールの教師は、ほぼ毎年違った学年を教えるということはありません。まれに学年が代わることもありますが、教師は専用の教室を与えられ、特定の学年を教えています。例えば、ある学校のK先生はルーム5(教室)で20年以上キンダーガーテンの子どもたちを教えています。
基本的な指導要領はありますが、指導方法は教師に任されている範囲が大きいため、それぞれの得意分野を活かした授業内容となります。例えば、演劇や音楽に力を入れている教師の授業では、楽器の演奏を教えたり、演劇や合唱の時間を多く取り入れたします。自然科学系の教師ですと、課外授業にでかけたり、学校菜園の授業や、動物観察などを重視した授業内容になることもあります。
ちなみにミドルスクール以降は、生徒が授業を選択して教室を移動する方法に変わります。
次回は英語教育・ELDプログラムについてです。