アメリカの学校給食は、ホットランチと呼ばれています。ほぼすべての子どもたちが給食を食べる日本のシステムとは違い、食べたい子だけが食べられる学食のようなスタイルです。給食を食べない子はランチを持参しています。
今回は、アメリカと日本の学校給食の違いをあげてみました。サンフランシスコ・サンノゼ周辺のいくつかのエレメンタリースクールを参考にしました。
自校式給食がない
アメリカでは学区が給食を管理しています。朝に出席を取る際に、教師が子どもたちにその日の給食が必要かどうか聞き、その数を担当者に連絡します。注文された食事は、給食センターから各学校に運ばれ、配膳室のオーブンなどで加熱され生徒に提供されます。子どもたちは配膳室に集まり、トレイに食べ物をとります。
給食は食べたい分だけ前払い
こちらの学校給食では、日本のような月ごとに給食費を払うシステムはありません。保護者は必要な日数分だけまとめてプリペイドカードにお金を入れておきます。子どもたちはそれを使って給食を買います。(カードがない学校もあります。)学校のオフィスまたはオンラインで支払います。
教室で食べない
給食はカフェテリアまたは屋外のランチテーブルがあるスペース、校庭などで食べるよう指示されます。晴天の日が多いカリフォルニアならではでしょうか。ランチョンマットやテーブルクロスなど準備する必要はありません。教室で配膳しないので給食当番もありません。
よくある給食メニューは
一般的に給食は、メイン料理に牛乳(チョコレート味などフレーバー入りも)とサラダ、くだものがつきます。メイン料理は用意された2〜3種類の中から1つを選びます。
例えばメインは、
- チキンナゲット
- グリルドチキンサンドイッチ
- トマトソースパスタ
- ピザ
- ホットドッグ
- 照り焼きビーフと玄米
- メキシコ料理(エンチラーダ、タコスなど)
などです。サンドイッチなどはパッケージに包装された市販のもので、温めて提供されています。
1年生から5年生まで、量が同じでおかわりはない
低学年から高学年まで、学年を通して1食分の値段は同じです。高学年の子どもはお腹が空きそうですね。サラダや果物は食べたい分だけトレイに取れますが、メインは一つだけと決められています。
学区によって内容に違いも
学区ではアメリカの農務省の基準に沿った学校給食を提供しており、全粒穀物を使ったり、塩分を段階的に控えたりしています。
さらに学区によっては、地場産の食材を使用したり、ベジタリアンに考慮したメニューをそろえたり、少ないですが手作りの料理も提供しています。
全米で最もリベラルな町のひとつとして知られる近郊の市では、加工食品、トランス脂肪酸、異性化糖(ハイフルクトース・コーンシロップ)、精製された砂糖と小麦粉、食品添加物、着色料などが入っていない食品を使用するなど、こだわりの給食を提供しています。また、学校菜園で野菜を育て、料理して食べるまでの食教育に力を入れている中学校もあります。
アメリカの学校給食は本当にダメなの?
以前から、アメリカの学校給食はまずい、世界一ひどいと酷評する声があります。メディアでも学校給食の様々な問題を取り上げています。
初めはウェブ担当も日本の学校給食と比べてしまってがっかりしました。パッケージに入った給食の見た目は残念な機内食だし、量も少ないし、好き嫌いを克服するチャンスや食教育できる機会も少ないです。
でも、これだけ文化や宗教、習慣が違う人々が集まる環境で、全員が同じものを食べるのはなかなか難しそうです。現地の学校給食の良い点としては、
- 貧しい家庭の子どもたちは無料または半額程度で給食を食べることができます。
- アレルギーなど様々な理由で給食が食べられない子は、食べられるものを持参できます(作る方は大変ですが)。
- ホットランチの名の通り、毎日温かい食べ物が提供されています。
- 朝ごはんを提供する学校もあります。
予算と効率、衛生管理、みんな違ってみんないい、が重視された結果いまの形になってしまったのではと思います。日本人のご家庭では、お弁当を持たせることが多いようですが、作れない時には、当日に給食を頼るなどして利用しています。
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