前回の記事では、セキュリティ・デポジット(以下デポジット)とは何か、どんなことに使われるかなどについてお知らせしました。今回は、デポジット返金に重要な家の点検(インスペクション)についてです。
インスペクションとは
前回、カリフォルニア州の賃貸物件を退去する際には、入居前と同じ程度に家を掃除し、機能を元どおりにする「原状回復」をすればデポジットは返金されると書きました。
この原状回復についてチェックするのがインスペクションです。引越し荷物を全て運び出した後に、家主と借り手が一緒に家全体を点検し、修理や掃除の必要がある箇所を確認します。
入居する際にもインスペクションがすでに行われているはずですので、その時の結果が基準となります。また借り手は、退去日より2,3週間前にもインスペクションを家主にリクエストすることができます。
2,3週間前のインスペクションのメリットは、修理・清掃の必要な箇所が早めにわかるので対処できることですが、家に荷物が残っている状態で行うことが多いので、借り手が自己申告しない限りは深く見れず必要な箇所を逃してしまい、退去時で不具合が見つかって請求が発生することもあります。
インスペクションの確認例
インスペクションで確認することの例として、次のようなことがあります。
- 汚れの度合を確認し、借り手側で掃除できるかどうか家主に確認する。
- 家の傷みがあれば、入居前からあったものか確認する。
- 修理の必要があれば、家主と借り手どちらの支払いになるかを確認する。
- 気になる箇所は写真やビデオを撮っておく。
問題がなければデポジット返金となります。
インスペクションの前後に借り手ができること
家主は家の修理・清掃をプロに頼むことがほとんどですので、ささいな汚れでもプロに清掃してもらえば高額になってしまうこともあります。家主に相談しながら、自分でできることはすませておくのがデポジット返金のコツです。
退去時の掃除は特に念入りに
荷物が運び出された後の掃除はとても重要です。入居前の状態に戻せるよう念入りに掃除をしましょう。細かい掃除をする時間がないという方でも、全体に掃除機をかけ拭き掃除をするだけでも印象が良くなります。部屋のクリーニングについては家主に確認します。
電化製品などの修理は早めに依頼する
故障の内容にもよりますが、電化製品などは退去する前に家主に依頼して修理しておけば、デポジットが使われずに済みます。借り手の過失による不具合の修理費用は借り手が支払いますが、それも入居中に直しておいたほうが良いでしょう。
入居時のインスペクションの記録を確認
家主と意見が食い違った時に、入居時のインスペクションの記録や写真があれば、入居前からの不具合であることを証明できます。
家主と良い関係を
物件の状態にとても気を使う家主もいれば、おおらかな方もいますが、家を丁寧に使う借り手は家主にとても喜ばれます。家主には日頃から家の状態について報告するなどして、積極的に家の手入れをしていることをアピールしておくと、後のトラブルを防げることもあります。
まとめ
インスペクションは、物件の状態を確認する重要な作業です。記録のために写真やビデオを撮っておくことなどしてしっかりとチェックしておきましょう。デポジットができるだけ多く返金されるためには、家主に相談し、必要な掃除などできることは自分ですませておくなど積極的に家の手入れをすると良いでしょう。
とはいえただでさえ忙しい引越時にこういった作業をするのはとても大変ですので、日頃から家の状態に注意し、できれば家主と良い関係を作っておくことがベストです。
弊社は入居から退去時までの修理依頼、お掃除などのアドバイスもしておりますので、サンフランシスコ・シリコンバレーで賃貸物件をお探しの際にはお気軽にお問い合わせください。
次回は、各部屋別の清掃ポイントと、よくあるご質問をご紹介します。